先週の土曜日の日本経済新聞にちょっと面白い記事が載っていました。

おそらく、名古屋支社版なので中部の方しか読めないかもしれませんが、愛知⇔福岡間の旅客争奪戦と言う記事です。タイトルは「攻める新幹線 守る航空機」。


トヨタ自動車グループの九州北部への進出拡大(マーケティング環境:機会)。
      ↓
愛知⇔福岡間の旅客数が約2割アップ(2000年度→2005年度:市場の拡大)
      ↓
顧客=旅客増分はビジネス(出張利用)
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ビジネス顧客のニーズは?
・スピード(たとえば「日帰りがしたい」)
・価格(たとえば「安いほうがいい」)
・快適さ(たとえば「移動中はゆっくりしたい」)
・便利さ(たとえば「移動中に仕事がした」
    (たとえば「チェックインがわずらわしい」)
・エコ(たとえば、「二酸化炭素排出量が少ないほうがいい」)

などが考えられます。

マーケティングの用語で説明すると、
製品:この場合は旅客サービスをどのように改善するか?
価格:「航空機のほうが高いイメージ」をどうするか?
プロモーション:何を顧客に伝えるか?
エコ:環境マーケティング

といった観点で、どういう対応をしたかというと。

新幹線は。

・スピード(たとえば「日帰りがしたい」)→ダイヤ改正。「のぞみ」増発で時間短縮。朝8時までの名古屋出発を増発。→日帰り可能。
・価格(たとえば「安いほうがいい」)→カード会員運賃割引。→航空機のカード 会員価格よりも安く。
・快適さ(たとえば「移動中はゆっくりしたい」)→席も従来よりも広く。
・便利さ(たとえば「移動中に仕事がした」)→パソコンを使いやすくするためにコンセント数を増やす。
(たとえば「チェックインがわずらわしい」)→チケットレスサービス(09年〜)
・エコ(たとえば、「二酸化炭素排出量が少ないほうがいい」)→エコ出張キャンペーン(JR東海HP http://eco.jr-central.co.jp/ecoshuccho/index.html)

などといった対応。

航空会社は。

・スピード(たとえば「日帰りがしたい」)
・価格(たとえば「安いほうがいい」)→カード会員運賃割引。→新幹線の通常価格より安く。
・快適さ(たとえば「移動中はゆっくりしたい」)→空のたびの快適さをCM等でアピール
・便利さ(たとえば「移動中に仕事がしたい)      
    (たとえば「チェックインがわずらわしい」)→チケットレスサービス
・エコ(たとえば、「二酸化炭素排出量が少ないほうがいい」)→燃料高で収益が悪化(マイナスポイント)。

といった内容で、新幹線が攻勢をかけているということです(新幹線のシェアは28%:2000年度→33%:2005年度)。

新井会計事務所