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今日、某スーパーで、PB(プライベートブランド)流通企業が掲げる独自ブランド)とNB(ナショナルブランド:製造企業が掲げるブランド)との価格差を確認していたところ、20〜30円ぐらいというところでした)

これぐらいの価格差だと、消費者はキムタクがCMに出ているカップめんと、ほとんど広告されないPBのカップめんのどちらを選ぶでしょうか?

1 68円(PB) VS 88円(NB:キムタク)

2 88円(PB)VS 108円(NB)

値上げ前は、上の価格設定になっていたかと思います。現在は下の価格設定です。

同じ価格差であったとしても、かなり消費者の心理的ものは違うものとなります。

まず、端数価格です。これは価格の末尾の数字に8とか9がついていると消費者は最大限値下げをしていると感じるという心理的なものを利用する価格設定で、特に大台割れ(98円、998円、9980円……)には有効だとされています。
そのため、NBの価格が100円の大台を割っていないのは、消費者に抵抗感を与えている可能性があります。

また、この100円を割っている価格が、スーパーでカップめんを買う消費者にとっては、カップめんの値ごろ感の上限ということもいえます。つまり、100円の大台を超えることは消費者が購買しようという価格帯を越えてしまって、急激に売上が減るゾーンに入っているということです。

もう1つは、マスコミ報道の影響です。マスコミが「値上げした!値上げした!」と報道すると、それが消費者に記憶され、実際店頭で価格を見ると「高い!」という判断をしているのではないかと思われます。

カップめんに限らず、他の商品でも、価格差は以前とほとんど変わらないのに、PBブランドにシフトしていると商品は多くあると思います。
ただし、PBブランドでは代替できない「価値」がある商品は、値上げをしても、売上が落ちないときいています。

いま、カップヌードルが、あえてキムタクで「環境」をキーワードにCM展開しているのは、「価格」や「味」「便利さ」といったカップめんの従来あったイメージ属性とは別の価値観を付け加え、「価格」以外のところに消費者の目を向けさせようとしているのだと思います。


今回はスーパーマーケットでの実売価格で考えてみましたが、カップめんの流通チャネルの大きな割合を占めるのはコンビニエンスストア・ルートなので、こちらについても次回、書きたいと思います。