今日の日本経済新聞に金融庁の行政指導により、3つのメガバンクが為替デリバティブで多額の損失を抱えている中小企業に対して、資金繰り融資を行うという記事が掲載されていました。


建前論で行けば、このような金融取引はあくまでも自己責任であり、銀行がそれにより経営危機に陥った中小企業のみに対して特別に融資をすることはおかしいとも言えます。


しかし、私が聞いた話では、このような為替デリバティブへの、銀行の勧誘は、銀行側からは「ちゃんとリスクを説明した」というものですが、企業からは「そんなものは聞いた覚えがない」というものです。


もちろん、銀行側には、説明しましたという印鑑付きの書類を保管しているので、「ウチは関係ない。あなたが悪い」というお墨付きは持っています。


しかし、中小企業が、借入を行っている銀行からのセールスを、むげに断ることができるでしょうか。


しかもこの商品は、輸出入に関連している企業であれば、為替リスクの回避という側面もあるのでまだわかりますが、国内取引だけの会社にも販売されており、この点に関しては問題ありといえます。


実際、このような為替デリバティブ商品が取り扱われるようになった当時は、毎月、何もしていないのにお金が生まれていました。


しかし、円が100円を割ってからは、毎月多額の損失が生まれています。


その損失のために破産した話も聞いています。


それに対して、銀行は「ウチは関係ない」を貫くのはいかがなものだと思います。


銀行も商売です。それはわかります。


それとともに「お金」という企業ひいては経済にとって重要な血液のポンプの役割を担っています。


なので、公共性も有していると考えます。


現業ではうまくいっているのに、その利益をすべて吸い上げられてしまっている中小企業に対しては、銀行はその「責任」において、対応するのが必要だと思います。


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