卸売会社の機能に「危険負担」、「在庫負担」があります。
今回の中国産うなぎの偽装は、「危険負担」、「在庫負担」で説明することができるのではないでしょうか。
「危険負担」はマーケティング環境の変化(今回の場合は日本の消費者の中国産離れ)などで、所有している商品価値が大きく変化する危険性への負担のことです。
「在庫負担」は顧客にかわって在庫費用を負担することです。当然、在庫投資は売上に先行しておこなわれるので、在庫を保管することは、その間、費用(仕入れ等)に対する資金の回収ができないということになります。
今回の偽装の中心は生産・加工地の中国から、日本へ加工うなぎを輸入している業者(大きくひっくるめると卸売段階の会社)です。
中国から仕入れた加工うなぎが、マーケティング環境の変化によって、予想通りには売れない。
↓
在庫が増える。
↓
売上によって、仕入れ(在庫負担)に対する資金が回収できなくなる。
↓
資金繰りの悪化。
となってしまったのではないでしょうか。
資金繰りが悪化し、最終的に資金ショートが予想されたとき、座して会社の倒産を待つのか、何らかの方策を打つのかということになります。
この場合の方策は、借入を増やすということも考えられますが、最近は銀行の融資が厳しくなってきているので、資金ショートの危険性のある会社に銀行が増額融資するとは考えにくいのが現状です。
次に、価格を極端に下げて(原価割れしてでも)、損を覚悟で在庫を売るということです。少しでも在庫を現金化して、資金ショートをさせないようにするということです。これをやった場合は当然期間損益は悪化します。
在庫を抱えながら、黒字会社のフリをするよりはマシだと、私は考えています。
しかし、結果的に、この輸入会社は、「悪魔のささやきに」に乗ってしまったということでしょう。
座して倒産を待つよりも、在庫を現金化させる道を選択したまでは間違っていませんが、損切りではなく、偽装という違法行為によって大きな利益を生みながらです。
遅かれ早かれこの会社は倒産していたでしょう。この立場になったとき、あなたが経営者ならどうしますか?
今回のうなぎの偽装でもう1つ感じているのは、報道のあり方です。こちらの事件のほうが「飛騨牛」偽装よりも悪質です。
しかし、経営者がマスコミのインタビューであっさり罪を認めたこと、また、大手水産持ち株会社傘下の卸会社を道連れにしたことなので、その後の報道が、飛騨牛偽装より、扱いが小さいように思えます。
逆に「飛騨牛」偽装のマスコミ対応がひどすぎるのですが。
新井会計事務所
今回の中国産うなぎの偽装は、「危険負担」、「在庫負担」で説明することができるのではないでしょうか。
「危険負担」はマーケティング環境の変化(今回の場合は日本の消費者の中国産離れ)などで、所有している商品価値が大きく変化する危険性への負担のことです。
「在庫負担」は顧客にかわって在庫費用を負担することです。当然、在庫投資は売上に先行しておこなわれるので、在庫を保管することは、その間、費用(仕入れ等)に対する資金の回収ができないということになります。
今回の偽装の中心は生産・加工地の中国から、日本へ加工うなぎを輸入している業者(大きくひっくるめると卸売段階の会社)です。
中国から仕入れた加工うなぎが、マーケティング環境の変化によって、予想通りには売れない。
↓
在庫が増える。
↓
売上によって、仕入れ(在庫負担)に対する資金が回収できなくなる。
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資金繰りの悪化。
となってしまったのではないでしょうか。
資金繰りが悪化し、最終的に資金ショートが予想されたとき、座して会社の倒産を待つのか、何らかの方策を打つのかということになります。
この場合の方策は、借入を増やすということも考えられますが、最近は銀行の融資が厳しくなってきているので、資金ショートの危険性のある会社に銀行が増額融資するとは考えにくいのが現状です。
次に、価格を極端に下げて(原価割れしてでも)、損を覚悟で在庫を売るということです。少しでも在庫を現金化して、資金ショートをさせないようにするということです。これをやった場合は当然期間損益は悪化します。
在庫を抱えながら、黒字会社のフリをするよりはマシだと、私は考えています。
しかし、結果的に、この輸入会社は、「悪魔のささやきに」に乗ってしまったということでしょう。
座して倒産を待つよりも、在庫を現金化させる道を選択したまでは間違っていませんが、損切りではなく、偽装という違法行為によって大きな利益を生みながらです。
遅かれ早かれこの会社は倒産していたでしょう。この立場になったとき、あなたが経営者ならどうしますか?
今回のうなぎの偽装でもう1つ感じているのは、報道のあり方です。こちらの事件のほうが「飛騨牛」偽装よりも悪質です。
しかし、経営者がマスコミのインタビューであっさり罪を認めたこと、また、大手水産持ち株会社傘下の卸会社を道連れにしたことなので、その後の報道が、飛騨牛偽装より、扱いが小さいように思えます。
逆に「飛騨牛」偽装のマスコミ対応がひどすぎるのですが。
新井会計事務所