今年1年を振り返ってみて、どの業界も価格競争の渦に巻き込まれて、粗利益率が悪化する傾向がみられています。
売上を伸ばそうとすると、新規の獲得を狙い、新規を獲得するためには、価格が最大の競争要因になっています。
また、無理な新規の獲得をしなくても、「アラシ」が登場して、価格で市場を荒らしまり、結果として、価格の下落につながっています。
このような傾向が続けば、どの業界も、共存共栄のシステムが崩れ、働けど儲からずということになってしまいます。
競争は悪いことではありません。ただ、買う側も売る側も価格だけの競争だけでは、自分の首を絞めるだけの結果になることが危険なのです。
しかし、この傾向は来年も続くことでしょう。
それでは、どうすればよいのでしょうか。
おそらくどの業界も、合従連衡により、上位の寡占状態という方向へ進んでいくきます。
つまり、規模による効率化が生き残る道となります。
これでは、中小企業は生き残れません。
日本の産業構造は中小企業を含めた裾野の広さが「強み」であったはずです。その中小を切り捨てては、日本の将来はありません。
松下幸之助が熱海会議で涙ながらに訴えた「共存共栄」こそが、日本の生きる道です。
現在は、どの企業も単独での利益が最大になるように、行動しています。これでは全体としての利益は損なわれてしまいます。
そうならないためにも、川上から川下までで、システム全体の利益が最大になり、共存共栄が可能な産業システムの構築こそ日本のあるべき姿です。
中小企業に無理強いをしたり、切り捨てたりするのは、日本の将来を損ねる結果となり、ますます国力を失わせる結果となります。
グローバルな競争に勝つためにも、日本の「強み」を活かすべきです。