伊勢名物として有名な「赤福」。
4月23日臨時株主総会を開き、浜田典保(のりやす)社長(51)の退任を決め、
その後の取締役会で、典保氏の母勝子(まさるこ)氏(77)を新社長に選びました。(http://www.akafuku.co.jp/newrelease/20140424_01.pdf。)
臨時株主総会といっても、典型的な同族会社で、その株の大部分を実質、父親である、先代社長の益嗣(ますたね)氏(76)が持っていたのですから、
ほぼ「鶴の一声」状態での解任といえます。
ニュースリリースによると、その他の取締役に関しては、留任および執行役員への登用が予定されており、一名が退任となっており、
読み取り方によっては、この一名だけが、解任された社長派といえるかもしれません。
また、新取締役には、親族と思われる女性が登用されており、今後の後継者指名に何らかの関連があるかもしれません。
赤福は、2007年の消費期限偽装問題で、ブランドが大きなダメージを受けたのにもかかわらず、
そのあとの火消が見事で、
現在では、偽装問題以前以上の売り上げを誇っています。
事件後の食品安全に徹底していることは、HPからも読み取れ、
その姿勢がダメージを回復させた要因といえます。
また、伊勢市の商工会長を先代社長が歴任し、また、一部報道によると、解任された社長も商工会活動などには熱心に活動していたところを見ると、
やはり、伊勢市の代表的な企業を守ろうとする地元の意向もあったようにも推察されます。
(誤解を生みそうな表現ですが、伊勢神宮内宮前の「おかげ横丁」は赤福本店を中心に整備されており、
当然、赤福の集客力が、他の店舗への波及効果を生んでいることは間違いありません。)
今回の解任劇の一端をHPから見ることができます。
それは「経営理念」と「経営方針」のギャップです。
特に公開されてる経営方針は、2014年3月10日の署名があり、これが、今回の解任の一因と思われますが、
以下の通りです(早々に削除されそうなので全文を転載します)。
弊社は、現在そして将来に渡りまして、以下の経営方針に基づき社業を行って参ります。
1.「家業から企業へ」につきましては、組織の近代化を常日頃から図り、企業としての仕組みやルールを構築し、維持して参ります。
2.「顧客への貢献」につきましては、「安全・安心」の提供を第一にお客様のご期待とご満足にお応えして参ります。
3.「コンプライアンス優先」につきましては、弊社全役職員が関係法令を理解し、適切に整備・運用・見直しをすることによりまして社会から信頼される企業であり続けるよう行動して参ります。
以上の方針につきましては、平成20年1月31日付株式会社赤福コンプライアンス諮問委員会発行『報告書』に基づき作成致しております。
(http://www.akafuku.co.jp/company/philosophy/)
1.で、明確に企業への脱皮を宣言しており、解任された社長の、何らかの意思表示ともいえます。
しかし、ほとんどの取締役が残った現状を見ると、
偽装事件という危機に対しては、解任された社長の元一致団結したものの、業績が回復したことにより、社内的に番頭グループと軋轢が生じ、
古き良き「赤福」がなくなることへの危機感が、今回の解任へとつながっていったと考えられます。
蛇足ながら、今回の新役員に税理士が監査役として選任されました。
赤福の規模で、監査役に税理士という前近代的な人事をしていること自体が、危うさを感じます。
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4月23日臨時株主総会を開き、浜田典保(のりやす)社長(51)の退任を決め、
その後の取締役会で、典保氏の母勝子(まさるこ)氏(77)を新社長に選びました。(http://www.akafuku.co.jp/newrelease/20140424_01.pdf。)
臨時株主総会といっても、典型的な同族会社で、その株の大部分を実質、父親である、先代社長の益嗣(ますたね)氏(76)が持っていたのですから、
ほぼ「鶴の一声」状態での解任といえます。
ニュースリリースによると、その他の取締役に関しては、留任および執行役員への登用が予定されており、一名が退任となっており、
読み取り方によっては、この一名だけが、解任された社長派といえるかもしれません。
また、新取締役には、親族と思われる女性が登用されており、今後の後継者指名に何らかの関連があるかもしれません。
赤福は、2007年の消費期限偽装問題で、ブランドが大きなダメージを受けたのにもかかわらず、
そのあとの火消が見事で、
現在では、偽装問題以前以上の売り上げを誇っています。
事件後の食品安全に徹底していることは、HPからも読み取れ、
その姿勢がダメージを回復させた要因といえます。
また、伊勢市の商工会長を先代社長が歴任し、また、一部報道によると、解任された社長も商工会活動などには熱心に活動していたところを見ると、
やはり、伊勢市の代表的な企業を守ろうとする地元の意向もあったようにも推察されます。
(誤解を生みそうな表現ですが、伊勢神宮内宮前の「おかげ横丁」は赤福本店を中心に整備されており、
当然、赤福の集客力が、他の店舗への波及効果を生んでいることは間違いありません。)
今回の解任劇の一端をHPから見ることができます。
それは「経営理念」と「経営方針」のギャップです。
特に公開されてる経営方針は、2014年3月10日の署名があり、これが、今回の解任の一因と思われますが、
以下の通りです(早々に削除されそうなので全文を転載します)。
弊社は、現在そして将来に渡りまして、以下の経営方針に基づき社業を行って参ります。
1.「家業から企業へ」につきましては、組織の近代化を常日頃から図り、企業としての仕組みやルールを構築し、維持して参ります。
2.「顧客への貢献」につきましては、「安全・安心」の提供を第一にお客様のご期待とご満足にお応えして参ります。
3.「コンプライアンス優先」につきましては、弊社全役職員が関係法令を理解し、適切に整備・運用・見直しをすることによりまして社会から信頼される企業であり続けるよう行動して参ります。
以上の方針につきましては、平成20年1月31日付株式会社赤福コンプライアンス諮問委員会発行『報告書』に基づき作成致しております。
(http://www.akafuku.co.jp/company/philosophy/)
1.で、明確に企業への脱皮を宣言しており、解任された社長の、何らかの意思表示ともいえます。
しかし、ほとんどの取締役が残った現状を見ると、
偽装事件という危機に対しては、解任された社長の元一致団結したものの、業績が回復したことにより、社内的に番頭グループと軋轢が生じ、
古き良き「赤福」がなくなることへの危機感が、今回の解任へとつながっていったと考えられます。
蛇足ながら、今回の新役員に税理士が監査役として選任されました。
赤福の規模で、監査役に税理士という前近代的な人事をしていること自体が、危うさを感じます。
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