愛知県尾張旭市　新井会計のマーケティング・ブログ。 : 会計

会計

2009年05月08日10:47

カテゴリ: 時事; 会計

電通の赤字は、広告業界崩壊の前触れか！

「テレビ局だけでなく、いよいよ電通もダメか！」

戦後の広告業界は、電通が引っ張ってきたといっても過言ではありません。

その電通が、2009年3月期における連結決算の下方修正を発表しました（http://www.dentsu.co.jp/news/release/2009/pdf/2009030-0507.pdf）。

それによると、同年の純損益が前回予想の110億円の黒字から、204億円の赤字になっています。

内容的には、売上や営業・経常利益は前回予想から上向いているものの、保有している有価証券の評価損が響いた形となっています。

詳しい、媒体別売上等が分からないので、何の売上（経費節減）が経常利益の上方修正に貢献したかが、現時点ではわかりませんが、媒体関係の売上減少を考えれば、新しいビジネスの展開が少しづつ結果に表れている可能性があります。

ということで、「ついに、電通も……」という判断をするのは少々早計かもしれません。

他方、先日発表された、広告業界のもう一つの雄の博報堂DYも、下方修正されましたが（http://www.hakuhodody-holdings.co.jp/news/20090424/HDYnews090424_2.pdf）、こちらは売上が予想よりも減少しており、本業の苦戦にくわえ、電通と同じく有価証券の評価損が発生したことによっての赤字予想となっています。

しかし、電通や博報堂DYでこれだけ苦戦しているのですから、中堅から下の広告会社の苦戦は火を見るよりも明らかです。

今後の広告業界は、従来のマス媒体の衰退が続くということを予想して、それを補うための新しい広告コミュニケーション・ビジネスの構築が必要となります。

それができなかった広告会社は淘汰され、また、できたところは、これまでの序列を打ち破れるかもしれません。

私自身、最近よくいわれているクロス・メディアという考え方は、少し懐疑的に考えていますが、「情報をいかに効率的に情報の受け手に対して伝達し、それを何らかのカタチでフィードバックでするか」という広告計画の原点に立ち返って考えてみる必要があります。

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2008年12月07日22:02

カテゴリ: 会計; その他

地方自治体の決算書を見たことはありますか？ビックリしますよ。

先日、はじめて、地方自治体の比較的細かい決算書を見ました。

最初は普段見慣れた企業の決算書とは違うので、「どうやってみるんだ～」とあれこれポイントになりそうな箇所を探していたのですが、

「えっ！」

ひょっとしてこれは単式簿記。

つまり、お小遣い帳方式なのです。

そうなのです、見慣れない科目はたくさん並んでいるのですが、大きく分けると「歳入」と「歳出」しかないのです。

広報とかでよく見かける、円グラフ。

歳入と歳出しかないのですが、あれが、単に数字になっているだけの決算書なのです。

ビックリです。

そういうことで、よく赤字、赤字といいますが、これはあくまでも単年度の歳入―歳出がマイナスになることです。

だから、赤字になりそうになれば（税収が少なかったり、歳出が増えそうになったら）、起債（借金）をすれば黒字になるのです。

それでもダメなら、特別会計に赤字分を付け替えてやればいいのです（夕張市がこのパターンです）。

起債についても、元金（借入金額）の部分と利息の部分は分かれていないので、いったいいくら借りて、いくらが利息なのかわかりません。

ただ、数字を逆算すると、年利6～7％で借りているものと推測できます。私が見たのは平成8～17年のものなので、あの低金利時代です。信じられません。

簿記の知識のある人はぜひ自治体の決算書というものを見てください。開いた口がふさがらないぐらいひどいものです。

自治体が情報公開をしたがらない理由はこんなところにあるのかもしれません。

ついでに、これを説明したヒトによると、当然予算や決算の承認は議会がおこなうのですが、「ほとんどの議員さんが意味がわからない」から、と笑っていました。

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2008年06月01日21:32

カテゴリ: 会計; 時事

船場吉兆と借入金

船場吉兆の廃業について考えてみると、何であんな無謀なことをしたのかと、とても不思議に思います。

食品の産地偽装、食品の使い回しなど、およそ高級老舗料亭としては考えられないことばかりです。

財務情報などが公開されているわけではないので、推測にはなりますが、1991年にのれん分けをして「船場吉兆」として別法人化のときに、自社ビルの建設費などとして約20億円の融資を銀行から受けていたという報道があります。

この初期の借入が、その後に影響したのではないかと思います。

船場吉兆は、最盛期には店舗4店に加え、贈答用品の販売等も手がけていたということですが、それでも、多く見積もっても年商15億円というところではないでしょうか。おそらく、のれん分け時は年商10億円には届いていなかったと推察されます。

この会社が、いきなり20億円の借入を起こしたというのは、「無謀」だったといえます。

この借入を返すためには、売上の拡大が急務です。当然、店舗数の増加、他事業への進出といった経営戦略を立てるのは必然ということになります。

しかし、それがうまくいかなかったことから、「無理（不正や不適切な行為）をした」のではないかと思います。

また、対銀行対策から、粉飾とまではいきませんが、消費・賞味期限の改ざんは不良在庫として廃棄することによる、利益減を避ける狙いもあったのではないかと思います。
つまり、売れ残りの商品をそのまま在庫として残しておけば、在庫商品は資産勘定として売上原価からマイナスされるので売上総利益がプラスになります。逆に不良在庫の廃棄は、まるまる売上に貢献しない仕入額がのってしまって、売上総利益をマイナスさせる要因となります。

料亭というビジネスモデルは多店舗化や多角化に向いているとは考えられません。そういう会社に20億円も融資する銀行の責任も重いのではないでしょうか。

新井会計事務所

2008年04月21日22:32

カテゴリ: 会計

マンション管理組合の会計

私の住んでいるマンションの管理組合の総会が今日ありました。

いわゆる自主管理組合で、管理会社に頼まないで、マンションの住民が持ち回りで役員を務める形式です。

19年度私は会計でした。

さて、管理組合の会計は、正式なものはありませんが、正規の簿記の原則に従って、作成することが望ましい思います。
そのため、少なくとも、「貸借対照表」と「損益計算書」を作成する必要があります。

当初、私は、マンションの住民がわからないといけないので、これまでどおり「単式簿記」（いわゆる家計簿方式）で作っていましたが、マンションの住民で管理費等の多額の滞納者対策から「元帳を作ってくれ！」と管理組合の会長から依頼されたので、「（総勘定）元帳を作ると言うことは複式簿記に切り替えるということですよ」と念押しをした上、複式簿記で帳簿を作成し、今日も貸借対照表と損益計算書を作成して総会にもって行きました。

ところが大ブーイング。

意味がわからないそうです。

孤立無援とはこのことでしょう。わかるように作ってもらわなければ困るそうです。

結果はどうあれ、会計をやってみて思ったことは、

マンションの売買があった場合は、必ず仲介の不動産屋から「修繕積立金はいくらありますか？」と聞かれます。
ですから、修繕積立金がいくらあるのかをはっきりさせなければなりません。

そのため、単純に入ったお金から出たお金をマイナスするだけでなく、少なくとも、管理費と修繕積立金は明確に区分して、その収支を把握しておく必要があります。

私のマンションの恥をさらすようですが、以下のようなことは最低限管理組合の会計として必要だと思います。

（１）会計書類の整備

①貸借対照表が作成する。

②損益計算書を作成する。

③財産目録または什器備品を管理する備品台帳を作成する。

（２）管理費会計と修繕積立金会計を区分する。

①収支計算書で、管理費会計と修繕積立金会計を区分する。

②貸借対照表で、管理費会計と修繕積立金会計を区分する。

（３）発生主義を採用する。

①現金主義を採用すると、期末の引継ぎ時に、未収金や未払金の処理が不明確になるので、期中に発生している取引が、未払金・未収金として会計処理をする。

というわけで、この方針で決算書類を作成したのですが、今年度からまた「家計簿会計」に戻すそうです。

わかりやすさが、最優先ということだそうです。

新井会計事務所

　

2008年04月13日21:53

カテゴリ: 会計

損益計算の落とし穴その2（在庫のマジック）

「今期の決算は赤字になりそうです」（税理士）

「それは、銀行の手前困ります。何とかなりませんか？」（事業主）

「それじゃ、在庫を増やしましょう」（税理士）

「？？？」（事業主）

しかし、あらりゃ不思議……赤字だった決算書が黒字に変身。

「？？？」（事業主）

こんなことが、頻繁におこなわれていたそうです（過去形です）。

損益計算の一番最初は、

［売上－売上原価＝売上総利益（粗利益）］

です。

売上原価は

［（前期期末の在庫＋仕入）－当期期末の在庫］

税理士と事業主の会話で出てきた、在庫とは当期期末の在庫のことです。

数字を当てはめてみましょう。

売上：1000万円
仕入：700万円
前期末の在庫100万円
当期末の在庫50万円

1000万円－（100万円＋700万円－50万円）＝250万円

が、売上総利益となります。

当期末の在庫を150万円にすると、

1000万円－（100万円＋700万円－150万円）＝350万円

と、売上総利益が100万円多くなります。

損益計算は、売上総利益をから販売費および一般管理費（費用）等をマイナスして当期利益を計算することになります。

つまり、売上総利益が増えれば、利益が上がったように見えます。

特に在庫品目が多い卸・小売業などの業種では、税務署も銀行もさすがに細かく在庫を調査することはないだろうという考えで、在庫を調整して利益があるように見せかけているのです。

このような調整は、絶対にやらないで下さい！

今は、銀行も、キャッシュ・フロー（別の機会に説明しますが、資金繰りだと思ってください）重視です。

在庫が増えれば、利益は上がりますが、キャッシュ・フローは悪くなります。

ですから、在庫調整で利益を作り出しても、対銀行ではムダです。

それより重要なことは、そんなことで在庫管理表をくちゃくちゃにしてはいけないということです。
在庫管理は事業をおこなう場合の生命線と言っても過言ではありません。売れない商品を長く持つことは、資金繰りを悪化させる主原因となります。

私が、コンサルをする場合、特に、卸・小売業の場合は、在庫の確認からはじめます。なぜならば、在庫を見ればその会社の危険度が判定でき、また、成績が悪い場合、在庫に原因がある場合が多いからです。
また、商品別に細かく精査していくと、次のマーケティング計画の重要なデータとなります。

もし、今でも、「在庫で調整しましょうか」という税理士がいたら、全く経営を知らない税理士です。
そんな税理士に会計を任せていたら、会社はつぶされます。
くれぐれも注意してください。

新井会計事務所

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電通の赤字は、広告業界崩壊の前触れか！

地方自治体の決算書を見たことはありますか？ビックリしますよ。

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損益計算の落とし穴その2（在庫のマジック）

henry12047

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